【SDGsネットワークおかやま×三洋金属対談】SDGsから見る岡山県の未来(後編)

こんにちは、三洋金属広報部です!

三洋金属では中間処理業者の立場として何ができるかを考え、環境への配慮を主とした4つのテーマを掲げてSDGsの目標達成に向けて活動しています。

今回は岡山県内でSDGsの推進と啓蒙を目的に設立された組織、「SDGsネットワークおかやま」の会長を務める石原達也さんとの対談インタビューを行いました!

後編では、「新しい挑戦」に焦点をあて、コロナ禍において私たちができること、未来の岡山と地球のために何をすべきかを、SDGsの先駆者である石原さんと三洋金属・黒本が語り尽くします。お見逃しなく!

前編はこちら

コロナ禍で生き残るために

黒本:今もなお終息の兆しが見えない新型コロナですが、コロナ禍で職を失ったり、収入が途絶えたりした方が多くいらっしゃいます。

様々な環境がコロナ以前と変化していく中で、多くの企業はより一層変革を求められているのではないでしょうか。例えば、古い慣習などに囚われデジタルへの移行がしづらい業界などがありますが、こうした状況下だからこそ新しいことに挑戦していくべきだと思います。

石原:私も同意見です。時代の流れに合わせて変わっていくべき部分が、今回のコロナ禍で浮き彫りになったと感じます。御社はリサイクル業界という、まさに歴史ある業界に属されていますが、どのような取り組みをしていますか?

黒本:当社では昨年から労働環境や働き方についての課題解決に取り組んでいます。

ITツールを導入して業務効率の改善をはかったり、働きやすい環境作りのため1on1の制度の導入したり、オープンな情報発信のためカルチャーデックの作成や企業ブログを始めたりなど。

元々はリサイクル業界の古い慣習をいい意味で崩していきたい、そういった想いでの取り組みでした。

しかしそのお陰でコロナ禍でも踏ん張れている部分が少なからずあり、日頃から新しいことに柔軟に取り組んでいく姿勢や、時代に合わせた変化を恐れずにいることが大切なのだと痛感しています。

石原:そうですね。さらに今は柔軟性に加えて、課題に対する対応速度も問われます。例えばコロナ禍では在宅ワークへの切り替えや書類のクラウド対応など、デジタルの導入や方向転換を即座に行う決断を求められています。新しい環境への柔軟かつ瞬発力のある対応ができないと企業は生き残ることが難しくなっています。

黒本:リサイクル業界もそうですが、歴史ある業界ほど慣習が多く、方向転換に時間がかかる印象があります。「古い業界だから難しい」「高齢者だから難しい」というのは理解できるのですが、それではどんどん世間とズレが生じてしまいます。だからこそまずは当社から、小さなことからでも少しずつ変えていくきっかけを作って、業界全体に波及させていきたいですね。

ミニシアター「シネマ・クレール」が起こした奇跡

石原:コロナ禍による苦境の中で「新しいことへの挑戦」が企業を救った出来事がありました。
先日、コロナの影響でお客さんが激減した岡山のシネマ・クレールというミニシアターから相談をいただいたんです。
このままだと倒産するのは時間の問題ではと危惧されていたのですが、「クラウドファンディングをやろう」とすぐに乗り出したのが功を奏して、短期間でなんと1,087人の支援で11,330,000円が集まり、危機を回避したのです。

ミニシアターを街に残そう!~シネマ・クレール存続プロジェクト~

黒本:それはすごい!まさしく柔軟性と対応力の賜物ですね。

石原:でもその裏側では葛藤も多かったんです。シネマ・クレールの支配人の方もご年配で、正直最初は「クラウドファンディングなんて初めて聞いた、本当にできるのだろうか」と、とても不安を感じていました。それでも「このまま何もしないよりまずはやってみよう」と踏み切った結果が、一千万円を超える支援に繋がりました。

黒本:新しいことに果敢に挑戦したことが、生き残りに繋がった素晴らしい実例ですね。しかし単に「助けてください」と伝えるだけでは、なかなか支援者は集まらないですよね、具体的にどういう流れで達成に至ったんでしょうか?

石原:おっしゃる通り、そもそも全国的に映画館やライブハウスなどはどこも経営が苦しくなっていて、「潰れそうなので助けてください」だけでは訴求力に不安がありました。

そこでまずシネマ・クレールを愛するお客さんたちを巻き込んで「シネマ・クレール応援団」を作り、みなさんとシネマ・クレールとの思い出を綴るWEBサイトを立ち上げました。そうしてみんなで作ったサイトから「クラウドファンディングをします!」と宣伝し、SNSで拡散をして支援を募っていった…という流れです。
シネマ・クレールさんにとってはクラウドファンディングだけでなく、ファンサイトの立ち上げもSNSを使った拡散も、何もかもが初めての試みでした。

シネマ・クレール応援団

黒本:サイトを拝見したんですが、動画での応援メッセージもありますね。それも監督の行定勲さんや塚本伸也さん、俳優の前野朋哉さんなどのそうそうたる顔ぶれで驚きました。

石原:こうしてたくさんのファンや著名人の方々の手を借りられたのは、シネマ・クレールさんが愛されているからこそです。でも行動に移し挑戦しなければそれも示しようがなく、コロナ禍でただ力尽きていくのを待つだけでした。そうなる前に手を打ち、新しいことを恐れずにまずは動き出さなければいけない。それをシネマ・クレールさんに改めて教わりました。

地方企業が今できること、未来のためにすべきこと

黒本:コロナ禍に限らず日々社会が目まぐるしく移り変わっていく中で、いま地方企業が挑戦すべきミッションにはどういったものがありますか?

石原:地域ならではの魅力を伝え、地方経済を活性化させることです。
一つ一つの企業が地域経済を活気付ける担い手であることの自覚を持ち、今回のコロナ禍のような大きな社会情勢の変化にも負けない、芯の強い地域社会を作っていくことが重要となります。

そのために必要となるのが「SDGsを通じた情報発信」と「地域に根差した人材育成」です。

黒本:地方経済を活性化させるために、SDGsを通じて地域外にもアピールを行うこと。そして地域に暮らす人々の人材育成に注力することで、地域そのものの生産性を高めるということですね。

石原:その通りです。SDGsを通じた発信は、地域内での連携を強めるとともに、地域外の人々に地元の魅力を伝えることにも繋がります。

また、人を育てて伸ばすことも大切です。常に「岡山を良くしていこう」と議論できる課題意識と高い目線を持った、地元のために自分たちに何ができるか、何をすべきかを考え解決していける人材を地域で育成して未来をつないでいくというのが、何より大切ではないでしょうか。

黒本:社会人だけでなく、岡山の将来の担い手として学生さんも巻き込んで考える必要がありそうです。社会の組織にすでに属する人たちと、これから社会に出ていく人たちとの両面の育成を大事にしたいですね。
当社も岡山県の企業として、県内の採用の活性化や人材育成にもっともっと前のめりに取り組んでいこうと思います。

石原:岡山県を上げてSDGsにどう取り組んでいくか、SDGsネットワークおかやまでは常に課題や問題を提示する活動を続けていきます。これからもどうぞよろしくお願いします。

黒本:こちらこそ、よろしくお願いいたします!

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ボリュームたっぷりでお届けした対談インタビュー、いかがでしたか?
三洋金属ではこれからも、より良い世界を作るために、そして地球環境を保護し持続型社会を作るために様々な新しい挑戦を行って参ります!