【SDGsネットワークおかやま×三洋金属対談】SDGsから見る岡山県の未来(前編)

こんにちは、三洋金属広報部です!

三洋金属では「資源の有効利用」を合言葉にした社会貢献、適切な処理と徹底した配慮による環境汚染の防止、限りある資源の再利用を推進していくことを目的として日々活動しています。

その一環として取り組んでいるのがSDGsです。
SDGsとは国際社会全体の目標で、地球上に暮らす全ての人々が「誰ひとり取り残さない」を取り決めとした「2030年までの達成を目指す17の目標」のことです。

三洋金属では中間処理業者の立場で何ができるかを考え、環境への配慮を主とした4つのテーマを掲げてSDGsの目標達成に向けて活動しています。

今回は岡山県内でSDGsの推進と啓蒙を目的に設立された組織、「SDGsネットワークおかやま」の会長を務める石原達也さんとの対談インタビューを行いました!

岡山NPOセンターの代表でもあり、SDGsの活動において県内のみならず全国的にも先駆者である石原さんとの対談、その模様をたっぷりとお届けしたいと思います。

SDGsネットワークおかやまとは

黒本:今日はよろしくお願いします。早速ですが、石原さんが会長を務められているSDGsネットワークおかやまは、具体的にどういった組織なのでしょうか?

石原:SDGsネットワークおかやまは、岡山県内でSDGsを推進している方々で集まったネットワークです。

もともと私は岡山NPOセンターで地域作りに取り組む方々や組織を支援する取り組みを行なっていて、その一環で岡山県内でよりSDGsの輪を広げていくため、2018年の12月に設立したのがSDGsネットワークおかやまです。

黒本:もとは岡山NPOセンター内での活動の一部という位置付けだったんですね。身近な場所にそういったネットワークがあるのはとても心強いです。SDGsネットワークおかやまのように、SDGsの啓蒙活動をする組織がある地域というのは全国的に見て多いのでしょうか?

石原:決して多くはないです。数少ない地域ネットワークの中では、岡山は加入企業が多い方だと思います。そもそも岡山県は「ジャパンSDGsアワード(※)」で岡山大学が第一回を受賞、岡山市の山陽女子という学校が第二回目を受賞しているというのもあって、SDGsに関しては先進的な土地と言えます。

※国が主催する、SDGsの優秀な取り組みを表彰するアワード
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/award/index.html

黒本:先日も倉敷で講演会をされていましたよね。当日参加はできなかったのですが、Facebookで録画されたものを拝見し、同じく岡山県内でSDGsの取り組みを掲げる企業として感銘を受けました。

石原:ありがとうございます。SDGsネットワークおかやまでは、先日のような講演会に始まり、地域の学生を対象としたワークショップや、各企業のSDGsの取り組みを支援する活動などを通し、岡山県内でのSDGsの連帯を強めるため様々な活動に取り組んでいます。

なぜ今、SDGsなのか

黒本:残念がら延期になりましたが2020年東京オリンピックの効果もあり、SDGsという言葉自体は目にする機会が増えてきたと感じます。

SDGsに取り組む企業もどんどん増えていますが、「なぜ企業としてSDGsの活動を行うべきなのか」まで理解している企業はそこまで多くないとも感じているんです。

SDGsに積極的に取り組むべき理由や意義はもちろんのこと、言葉を選ばず言うと「取り組むことで企業側にもメリットがある」ということをわかってもらえると、もっと認知度が上がるのではないかなと。

石原:ご指摘の通り、SDGsのことを「社会貢献活動」と認識している企業は多く、「社会貢献=見返りのないボランティア」というイメージが先行しているのは否めないです。大義だけでない、SDGsに取り組むことで得られるメリットの面もしっかりと発信していけば、SDGsの輪は自然と広がると踏んでいます。

例えば就職市場において、昨今はESG投資、環境と持続可能性、組織統治の3つが大切だという意識が強まっています。その3つの面がしっかりしている組織じゃないと、企業としての信頼性を得にくい。

黒本:全社的にSDGsに取り組むことは、企業としての信頼度を向上させるきっかけにもなりますよね。きちんとした指標を持って世の中に柔軟に対応している会社だと世間に認知してもらうことが、企業ブランディングにも繋がりそうです。

石原:そうですね。加えて新型コロナウイルスによって目まぐるしいスピードで社会が変わり続けていることも考えると、世の中の変化にも負けない強い企業・組織になるために、日頃からSDGsや環境問題などにアンテナを張って取り組んでいくということ自体が、組織力の強化にも繋がります。

そういった様々なメリットも含めて「だから今SDGsなんだ」というのを、まだSDGsに取り組んでいない企業にも考えるきっかけにしていただきたいです。

SDGsが地方企業にもたらす効果

黒本:岡山に限らず地方では人口の減少がどんどん進んでいて、若い人たちが都会に出てしまい、地方企業は働き手が不足している現状があります。そんな中で地域に根差した企業が地元で生き残るためには、どういった策や活動に力を入れていけばいいと思いますか?

石原:やはり労働問題やジェンダー問題を解決するというのは最重要課題と考えています。SDGsで掲げる目標の中にも男女平等や労働環境の改善などがありますが、あらゆる人が効果的に働ける環境を作るというのは、働き手の少ない地方都市では特に大事なんです。

女性のリーダー格や管理職を置く、パート職員から正社員への登用を行う、障がい者を雇用するなど、いろんな人が平等に活躍できる環境を作ることが人の定着に繋がると思います。

黒本:働き手を定着させる土台を作り、その土地で生活の基盤を築いてもらうことで人口の流出を防ぐと同時に人口の増加に繋げるということですね。

石原:おっしゃる通りです。そのために、地方企業こそ積極的にSDGsを取り入れていくことが効果的なんです。雇用環境の改善のためにSDGsの活動を行なっていると知ってもらうことで、地方企業への関心がより高まり、人口減少の改善を促すことにも繋がっていきます。

黒本:労働環境に関する問題のほか、SDGsでは環境問題についても多くの項目が提示されています。当社はまさにリサイクル業者なのでその辺りは特に気になるところです。

当社の地下工場の床材は「ステンレス・ゴム板・強化ガラス繊維」の3種構造になっていて、バッテリー解体時に出る有害成分が土壌に染み出すのを防ぐ仕様になっているんです。手前味噌ではありますが、ここまでの仕組みを導入している工場はなかなかないのでは思います。SDGsの項目にもありますが、「作った責任と使う責任」が我々にはあるわけですから、そこはまっとうしていきたいと強く思っています。

石原:まさしく同意です。四大公害病というものもある通り、過去にも日本では公害によって環境が汚染され人が亡くなった時代があったにもかかわらず、環境汚染による人や地球への影響は改善されるどころか年々深刻化しているんですよね。

今回のコロナも然り、様々な事柄の影響で生活が脅かされる恐れがある中で、私たちは根本的に人が安心して暮らしていける環境を作っていかなければならない。気候変動による自然災害などの生命にかかわる危険を減らすためにも、また、やがて尽きる化石燃料に代わるエネルギーを生み続けるためにも、環境保護の問題はSDGsの中でとても重要な位置にあると思います。

黒本:いくら地元を活気づけようと頑張ったところで、ベースとなる土地の環境が壊れてしまってはなんの意味もないですしね。今の岡山県の姿を未来に残すために、まずは土台を守るための活動をしなければならないんですよね。

石原:特に我々の地域は岡山・瀬戸内というブランドで売ってきたので、瀬戸内海がダメになると瀬戸内ブランドも成立しない。海や森の問題は私たち自身の問題であるということに、これからきちんと向き合って、もっともっと深く考えていくべきです。

黒本:三洋金属もリサイクルを事業者として、そして岡山のブランドやアイデンティティを守る地元企業として美しい岡山を次世代に繋げていくかに一層力を入れて取り組んでいきます。

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後編では、岡山企業の未来や、コロナ禍において企業が生き残るためにはどうすべきかを、実際にクラウドファンディングで成功した事例なども交えつつお話していただきます!

ご期待ください!