【松本鉄工×三洋金属対談】岡山県企業の「今」を語る

こんにちは、三洋金属広報部です!

三洋金属では「資源の有効利用」を合言葉にした社会貢献、適切な処理と徹底した配慮による環境汚染の防止、限りある資源の再利用を推進していくことを目的として活動しています。
さらに三洋金属は岡山県の企業。地球の環境保全だけではなく地元岡山の地域活性のためにも、何ができるかを常に試行錯誤しているのです。

今回は、SDGsおかやまさんに引き続き対談記事第2弾!
同じ岡山県内の企業、松本鉄工の代表取締役である杉原佑友太さんと対談インタビューをお届けします。

代表の杉原さんと当社の常務黒本は、なんと中学時代の同級生でもあります。
岡山県の企業として何ができるか・何をすべきかを、同世代二人が同じ目線で熱く語ります。お見逃しなく!

株式会社松本鉄工とは

本日はよろしくお願いします!お二人は同じ学校の同級生と伺いました。

杉原:はい、中学の同級生なんです!黒本君とは同じく自営業を継ぐ跡継ぎ仲間でもあります。

黒本:たまに一緒に飲みに行きますがプライベートのことや昔話が多いので、今日は仕事のお話ができるのを楽しみにしていました(笑)
杉原君の場合は父ではなく祖父にあたる方が創業者なんだよね?

杉原:そう、僕が2代目です。今年で創業54年目で、元々は三菱自動車の工場のメンテナンスや設備の保全の作業をしていました。それであるとき三菱さんから「設備自体をゼロから作ってみないか」とお声がかかって、1988年頃にロボットのシステムを作る事業を始めて今に至ります。

株式会社松本鉄工さんは、どのようなご事業をされているのでしょうか?

杉原:一言で言うと、産業用ロボットのシステムを作っている会社です。たまにテレビで『●●を作っている工場に潜入!』って番組とか特集やってるの見たことありませんか?
ああいう工場で働くロボットを動かすためのシステムを作っています。

黒本:三洋金属でも車用バッテリーの廃処理の工程で、ベルトコンベアで物を流したり、専用の装置でいっぺんに加工したりするけど…まさにそういう機械だよね?

杉原:そうそう。ロボット自体は各ロボットメーカーが作っていて、松本鉄工ではそのロボットを実際の工場作業に組み込んで動かすためのシステムを設計する『ロボットシステムインテグレータ』と呼ばれる仕事をしているんです。

株式会社松本鉄工
https://matsumototekko.co.jp/

ロボットシステムの開発は県内では珍しい業種ですよね?

杉原:県内では同業者はほぼいないと思います。うちのお仕事も8-9割くらい県外か国外からの依頼ですね。

黒本:開発するロボットの業種は絞っていたりするの?

杉原:いや、うちの場合は何でもやります。例えば産業用のロボットシステムはもちろんのこと、食や住まいなんかも。珍しいところでいうと、天ぷらあげる機械とか冷凍チャーハンを作る機械、墓石を水圧カッターで切るロボットとかかな。

黒本:そんなものもあるんだね(笑)システムは全てオーダーメイドで一からやっているんだよね?

杉原:そうそう、なので当社の自慢としては何でもできること。少数精鋭の技術屋だから、基本はお客様が作りたいと思うロボットに何でも対応できる。そこが昔から受け継がれている松本鉄工ならではの技術です。

コロナはあくまできっかけ。世の中は転換期にある

黒本:コロナで大変な中だと思うんだけど、なにか働き方の変化はあった?

杉原:僕の奥さんが医療従事者だったのもあって、コロナについては初期段階からかなり慎重に対応してたよ。社内では必ずマスクを着用、毎日の検温は必須。朝の検温で37.5度以上あったら、有給とか傷病手当ての扱いで休んでもらってる。

うちはロボットを作っている会社だから、コロナでも仕事自体はゼロにはならなかったのが不幸中の幸い。でも納品のときは装置の据え付けと呼ばれる工事を行うために、どうしても現地に出向く必要があるから、社員には細心の注意を払ってもらうよう徹底してる。

黒本:今は杉原くん自身もフルリモートなんだよね。

杉原:3月の中旬からずっとフルリモート。定例会議も全部zoomでやってる。
製造業だから作る人はもちろん工場に行かなくちゃいかないんだけど、僕以外にも出社しなくても仕事ができる人たちは、みんな自宅からのリモートもOKにしてる。

製造業でリモートOKなのは珍しいですね。

杉原:コロナに関係なく、働き方の自由についてはもともと促進していきたいと思っていたんです。コロナがなくとも、ライフスタイルや働き方について、時代の変化に合わせて方向転換が必要な時期に差し掛かっていると思います。
当社はまだ8時から17時の稼働時間で固定にしてますが、いずれそれもやめたい。フレックスクス制に近づけて「出社の自由」が選べる働き方に変えていきたいんです。

黒本:あくまでコロナはきっかけであって、コロナによってそれが加速したってことだね。

杉原:まさしくその通りだと思う。遅かれ早かれ働き方の転換期は来ていて、それがコロナをきっかけに早まっただけ。

うちも仕事はゼロではないとはいえ減っているのは確かだから、「給与は100%出すから、自分の仕事がない人は積極的に休んだり早退したりしてください」って全社的に伝えてあるけど、これは将来的な「出社の自由」のための準備期間なんだと前向きに捉えてる。

黒本:「コロナを凌ぐため」ではなく「コロナはあくまできっかけ」という考え方が、同じく会社をリードする立場として勉強になるしとても良いなと思う。

レガシーな業界・地方企業のイメージをアップデートする

先ほど時代の変化というお話が上がりましたが、松本鉄工さんの「新しい取り組み」は何かありますか?

杉原:現在進行形だと、広報用に会社の紹介漫画を描いてもらっています。ひとつは仕事の内容紹介、もうひとつは当社の人事評価制度を紹介する漫画です。

黒本:それはすごい、漫画は考えたこともなかったな。完成したらホームページで公開されるの?

杉原:そのつもり。あと当社は近年、採用活動に力を入れてて、地元の工業高校とか専門学校の学生にパンフレットを配布してるから、そこにも掲載するつもりです。

どんなに会社として伝えたいことがあっても若者の目に留めてもらえないとそれまでだから、若者にも取っ付きやすいように色々と新しい手法を取り入れて試行錯誤してるんです。

地元の若者にきちんとアプローチできるよう工夫を重ねているんですね。

黒本:若者へのアプローチという意味では当社も最近力を入れていて、このインタビューを掲載するブログも「レガシーな業界でも新しいことに挑戦している」というメッセージを込めて発信しています。最近ではその他にも『ブラックなエキスポ2021』に企業として参加しPRをしましたね。

杉原:僕たちのような業界ってどうしても昔気質の職人肌な印象が根付いているから、こういうオンラインイベントへの参加は堅いイメージを払拭するのにすごくいいね。

イマドキの若い子は就活のときもスマホで企業についてすごく調べるし、どんな会社かをきちんと見極めて入社を決める頭のいい子たちが多いから、そういう子達のアンテナに引っかかるように発信の工夫を続けたい。

加えて仕事そのものの魅力とか会社の雰囲気、福利厚生や人事の評価制度もアップデートして発信していかないと、地方企業の採用はどんどん厳しくなっていくと思う。

黒本:都会はそもそもの人口が多いから、ネームバリューがあったり、福利厚生が充実している企業が多いイメージが先行している。それでも地方企業も都会の企業と同じくらい魅力があるということを、これからもっと知ってもらいたいよね。

岡山県から、日本の将来を支える企業を目指して

地方都市ではそもそもの人口の減少問題が浮き彫りになっていると思います。松本鉄工さんは岡山県内で地盤を築いてこられてきた企業として、地元貢献の取り組みはどういったことをされていますか?

杉原:今は若者がどんどん首都圏や都市に出向く傾向が強いので、繰り返しにはなりますが、それこそやっぱり採用面に力を入れるのが大切だと思います。

もちろん岡山の人しか採用しないわけではないですけど、地元の工業高校の先生がたから学生たちの就活状況についてお話を聞くなどして、地元の人たちの働き口として機能する企業であるように県内採用は力を入れています。

黒本:前にSDGsおかやまの代表石原さんと対談をさせてもらったときも、岡山に暮らす人々の地域雇用を活性化させて、人材育成に注力することが大きなポイントになるって話題が上がったよ。
自分たちの会社を、地元の人たちが「岡山に留まってこの会社で働きたい」と思えるような企業にしていくことが僕たちの使命だね。

杉原:岡山県のみならず、日本自体が少子高齢化の一途を辿っているわけじゃない?だからこそ働き手の代替となる、産業用ロボットの需要は今後も高まっていく一方なんだ。

それに対して、うちみたいな「ロボットシステムインテグレーター」と呼ばれる業種は、需要に対して供給が追いついていないとも言われている。矛盾するようだけど、ロボットを作るには必ず人の手が必要だから。

つまり自社で新卒を積極的に採用して社員の技術力の向上に注力していくことが、会社にとってだけでなく岡山県の雇用口の増加に貢献する。ひいては日本の将来を支える準備にも繋がる。とてもやりがいがあるよ。

黒本:目下コロナで厳しい状況ではあるけれど、ここはなんとか踏ん張って、引き続き会社と組織のブラッシュアップをしつつ採用活動も情報発信も頑張っていかないとね。同じ岡山県を支える企業として、協力して頑張っていこう!

お二人とも、ありがとうございました!