こんにちは、三洋金属広報部です!
三洋金属ではリサイクル業務をおこなうにあたって、岡山県や岡山市はもちろん、近隣の県の「産業廃棄物処理業の許可証(以下、許可証)」を取得しています。
この許可証を持っている業者は、各自治体の長が認めたいわゆるお墨付きの業者ということになります。
しかし実はこの許可証、現在のリサイクル業務のために絶対必要な許可証……というわけではないのです。
今回はこの許可証に焦点をあて、なぜ三洋金属が許可証の取得・更新を続けるのかについてもお話していきたいと思います!
ちょっと複雑!?各自治体ごとに必要な産業廃棄物処理業許可について
許可証は先程も申し上げたとおり各都道府県ごととなっています。三洋金属では、主な活動地域である岡山県と岡山市に加え、取引がある地域ごとに一般的には5年に1度更新が必要です。
(※通常は都道府県ごとの申請・更新なのですが、岡山県に限っては県と市のそれぞれで更新が必要です)
また産業廃棄物には2種類あり、1つが『産業廃棄物』で、三洋金属では金属くずとしての鉛が該当します。そしてもう1つが『特別管理産業廃棄物』で、三洋金属では廃酸としての希硫酸が該当します。それぞれに処分と収集運搬の2つで合計4つの許可があります。
これらを岡山県と岡山市、また近隣の各県ごとに取得しているので、結構な数になります(取得している許可証はすべて弊社HPからダウンロードできます)。
2023年、三洋金属では複数県の許可証の更新が重なりました。そのため三洋金属のISO委員会は、更新準備の真っ只中となっています。
許可の更新は役員ではなくISO委員会のメンバーで!
ここで「許可の更新は通常役員以上がおこなうものでは?」と疑問に思われた方もいるかも知れません。
三洋金属も、最初に許可を取得したのは池上専務で、その後は黒本常務が引き継いで更新をおこなっていました。しかし黒本常務は、更新を続けていくうえで「これは従業員も内容を理解していたほうがいいのではないか」と感じたそうです。
そのため三洋金属では現在、ISO委員会のメンバーが更新をおこなっています(代表者が認めた事業場の代表者であり、必要な講習を修了したものであれば誰でも更新できます)。
必要書類が100枚以上!?更新の準備、けっこう大変です
一口に更新と言っても、実はけっこう大変な作業です。
これは岡山市の許可の更新に必要な書類一覧の一例ですが、このように、更新のために必要な書類は、財務諸表、利益の詳細、車両の詳細、車検証のコピー…などなど。その数なんと、およそ100枚もの資料を準備して、市役所や県庁に提出しなければなりません。
つまりはお察しのとおり、とっても時間と手間のかかる作業なのです…!
実は必須ではない?三洋金属がISO認証を取得し続ける理由
書類を揃えるだけでも非常に骨の折れる許可証の更新ですが、冒頭でも少し触れたとおり、実は現在許可証は、業務にあたって必須というわけではありません。
許可証は、過去に鉛蓄電池が産業廃棄物の扱いであった時分には、必須でした。ですが今は、鉛蓄電池の大部分が有価扱いになったため、必須ではなくなっています。
では、なぜわざわざ手間ひまをかけて許可証の更新を続けるのか?
その理由の一つが、企業としての信頼性を高めるためです。
三洋金属で取り扱う廃バッテリーは、一歩間違えば、処理の際に環境汚染や事故にもつながるおそれがあります。
それを理解しているからこそ、安心・安全・信頼を心がけ、細部に至るまで気を配って作業をしています。
そのことをお取引先のみなさまにも示し、安心してお取引をしていただきたい。そのために、きちんとした方法に則って業務にあたっているという証である、許可証を取得しています。
さらにもう一つの理由が、許可証の更新にあたって受ける講習がとても勉強になるからです。
資格の取得には、専門の講習を受けてテストに合格する必要があります。
この講義を受けること自体が、非常に深い学びになるのです。講義の内容は、リサイクル業界に携わる身としては、勉強する価値のあるものばかりです。
こうした勉強を積極的におこなうという意味でも、ISO委員会の委員長が講習を修了し、許可証の更新をすることには価値があると三洋金属は考えています。
三洋金属では、この委員長を定期的に交代させています。
これは、許可証の更新に必要な勉強を、より多くの現場の人にしてもらうことが目的です。
同業他社と比較すると、通常は社内の管理職クラスが担当することが多く、普段現場で働いている人に更新を担当させるケースは稀なようです。
ですが三洋金属では前述の理由から、現場担当者にも積極的にISO委員会に参加してもらい、引き継いでいます。
「許可証は、いちリサイクル業界に携わる身として守っていきたい」
最後に、2023年から新たに三洋金属のISO認証の更新を担当している、大森にインタビューをおこないました。
なお大森は、2022年12月に無事にテストに合格し、産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習を修了しています!
–大森さんは2023年から、前任である黒本常務から許可証の更新担当を引き継いでいるんですよね。どういう経緯で引き継ぐことになったのでしょうか?
三洋金属社内にISO委員会というのがありまして、私は3年前から委員会のメンバーとして活動しています。委員会のメンバーは現在、私を含め4名に加え外部の講師1名で構成されていて、月に1度のミーティングや日常的な社内の安全点検などをおこなっています。
許可証の更新もISO委員会の仕事で、更新作業はISO委員会の委員長が責任を持っておこなっています。
–大森さんが引き継いでから、すでに3回の更新作業をおこなわれたと聞いています。
そうですね。許可証は取引がある各都道府県ごとに取得・認証する必要があり、私が引き継いでからは岡山市、岡山県、愛媛県の更新作業に当たりました。
–率直な質問なのですが、更新作業って大変ですか?
正直、めちゃくちゃ大変です(笑)
1回の更新に対して膨大な数の資料を、それぞれ用意しないといけないんです。申請の書類をパソコンで作って、決算書やその他資料を用意して、あとは社長や役員に住民票を取得してもらったり、とにかく必要な書類が多いですね。
これらの書類がすべて揃ったら各地の役所に届け出に行くのですが、いかんせん約100枚も書類があるので、やっぱり一発でOKが出ることってなかなかないんですよね。
一応私、高校は商業科出身なんですよ。なのでパソコン作業や書類仕事はそれなりに慣れているはずなのに、それでも役所の方にチェックしてもらうと、足りない書類が出てきたり、記入漏れが見つかったりしますね…。
先日も愛媛県の役所まで行ってきたのですが、不足書類があったので泣く泣く岡山まで帰りました。何度も遠方に出向くのが難しいので、最終的には郵送にしました。
–3回経験してみて、慣れましたか?
書類の作り方や手続きの進め方は大体わかってきたのですが、必要書類を判断して集める作業については、ISO委員会のメンバーと手伝ってもらってやっているんですよ。
来年も鳥取県、広島県、岡山県と合計6地域分の更新作業が控えていて、次は書類集めも自分がメインでしないといけないので、まだまだこの先も勉強ですね。
–こういった更新作業は、他社さんの場合はいわゆる管理職の人が担当することが多いと思います。三洋金属のように更新を持ち回りでおこなうのは珍しいですよね。
そうですよね。普通に働いているだけだと、許可証の更新についてなかなか知る機会がないと思います。私自身も、ISO委員会に所属するようになって初めて知りました。
でも、いろいろと知っていくうちに許可証の重要性や、なぜ必要なのかといったことも学べたのでいい機会でした。
とくに許可証は取引先とのやり取りで重要な役割を果たすんですよ。
例えば取引先から、更新期限よりも前に「許可証の更新がされているか」を尋ねられることが頻繁にあるんです。
そうした際にきちんと更新状況について説明できることが会社の信頼に繋がります。
以前に常務から伺っていたことではありますが、改めて委員会のメンバーとして体験することでとても実感が湧きました。
–今後数年は大森さんが更新作業を担当されると思うのですが、そのあとまた別の方に引き継ぐんですよね?
はい、3年ごとに交代することになっています。これまでISO委員会の委員長が代々担当していっている流れなので、次は私よりも下の世代にバトンタッチしていくことになります。
来年度も4つほど更新が重なるので、任された3年間を責任を持ってまっとうできるようにがんばりたいです。